将棋の棋戦の一つに順位戦というものがあります。
文字通り将棋の棋士の順位付けをするシステムです。
棋戦の一つではありますが、棋士を名人を頂点として、
最下位まで厳格に順位付けをしています。
この順位は毎年一回更新され、
棋士のもらえるお金のベースとなったりします。
今回は順位戦について解説します。
順位戦
順位戦というのは名人戦の予選です。
文字通り名人というタイトルがあり
その一人を決めるための棋戦です。
順位戦の形態はクラス別のリーグ戦となっています。
クラスは全部で5つで、
A,B1,B2,C1,C2の各クラスがあります。
最初にプロ棋士になると4段になり、まずC2に入ります。
人数がかなり多く数十人在籍しています。
1年リーグ戦を戦い、上位者が上のクラスに行きます。
C2の上位3名がC1に行きます。
この時4段だった人は5段に昇段します。
そして翌年はC1でリーグ戦を戦い、
成績優秀者が上のB2のクラスに昇級します。
つまり1年に1つしか上のクラスにいけません。
こうしてA級までいくと8段になります。
A級は通常10人しかいません。
名人の次のトップ10であり、
このクラスに居るだけで、一流棋士の証です。
名人への道
最上位クラスのA級で成績が一番いい人が名人に挑戦する権利を得ます。
挑戦者と名人は春に7番勝負を戦い、先に4勝したほうが勝ちとなり、
名人となります。
棋界No.1を争う戦いです。
このような名人を頂点とした巨大な階層リーグ戦構造のため、
名人への道は非常に時間がかかり、また困難なものとなっています。
一番下のC2から名人になるまで最短で5年かかります。
とはいえ、まだ5年で名人になった人はいません。
いまは棋戦がたくさんありますが、名人戦が最も歴史が古いです。
順位戦もその予選ということで古くから存在し、
長い間この順位戦というシステムが、
棋士の給与を決める土台となっていました。
その後にいくつかの棋戦が出てきてもそれは変わらず、
ベースとなるお金が順位戦で決まっています。
順位戦の重み
したがって棋士は順位戦を必死で頑張ります。
他の棋戦の成績は振るわないが、
順位戦だけは本気、死ぬ気で指す。
他の棋戦ではすぐ投げるけど、
順位戦になると深夜になるまで頑張る
みたいなスタイルが一般化してきます。
見た目派手で、華やかな手よりも、
念には念を入れた堅実でいわゆる保険のかかった手が多くなり、
それらは「順位戦の手」のように形容されるようになりました。
また、順位戦は成績が悪いと下のクラスに下がります。
更に悪ければ最終的に引退という事態になり、
棋士でなくなる可能性もあります。
上に登るだけでなく、下に落ち込まないように
生存をかけての戦い、それが順位戦です。
まとめ
順位戦の説明をしました。
順位戦は最も歴史ある名人というタイトル戦の予選であり、
階層付されたリーグ戦となっています。
棋士の基礎的なランク付けを行う棋戦でもあり、
収入を決める意味でも大切な棋戦です。
棋士は、時には命を削る思いをして
この順位戦を戦っていっています。
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