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井上慶太、藤井聡太の連勝をストップさせた実力者、最強の弟子軍団を率いる名伯楽

井上慶太さん、1964年生まれ。
兵庫県出身、師匠は若松正和七段門下、なんと、あの谷川浩司さんと同門です。
現在の順位は、竜王戦4組、順位戦B級2組。
かつてはA級にいたこともあり、3期つとめていました。

棋歴、戦績

1993年度には、勝率1位を記録しています。
が、ここ数年間は勝率が5割を切っています。

一般棋戦優勝は2回ですが、新人王戦と若獅子戦で優勝しています。
が、全棋士参加型の棋戦ではまだ優勝経験がありません。
A級、1組を在籍経験があるのに、タイトル戦に出場したことがない棋士であるのは、
棋界の7不思議とも呼ばれています。
ファンとしては少し寂しい感じがします。

その他実績、あの藤井聡太の連勝をストップ、藤井システム第一号(ただし負け)

井上さんは、藤井聡太に勝ったことがあります。
ま、勝った棋士は井上さんだけではないのでそれだけなら珍しくないのですが、
藤井さんが6段の時代に対局し、井上さんが勝ちました。
このとき、藤井さんは勝ちっぷりがすごくまたたくまに、昇段規定を満たし昇段していきました。6段のときも負けなしでした。そこで、井上さんに負け、
その後6段のときは連勝し、7段に昇段。結局藤井「6段」時代に負けたのは、
井上さんだけ。
これにより、井上さんは、藤井「6段」に勝った唯一の男、として記録に残っています。

1995年のことですが、藤井猛さんとの順位戦で、対局しました。
この藤井さんは、現在最年少記録でなにかと話題になっている藤井聡太さんではなく、藤井システムで有名な藤井猛さんのほうです。簡単に言うと古い藤井さんです。
このときに、居飛車穴熊に組もうとした井上さんの陣形に、3筋からの歩の突き捨てから、あっという間に殺到され、47手という単手数で負けてしまいました。
藤井システムの第一号局として記録に残っています。
あまりにも見事な手順で、定跡とも言えるものです。現在のプロ棋士の対局にこの手順が再現されることはありませんが、ほとんどの棋士の頭の中にベースの知識となって記憶されているはず、です。
まあ、井上さんは負けたほうということで、あまり嬉しい記録ではないでしょうけど。

名伯楽、弟子が最強の井上一門

門下生に、稲葉陽さん、菅井竜也さん、船江恒平さんがいます。
稲葉さんは押しも押されるA級棋士。名人挑戦の実績もあります。
菅井さんはタイトル獲得実績があります。この前まで王位でした。
船江さんは順位戦昇級、一般棋戦優勝しています。
はっきりいって強すぎます。
彼らを育てた井上さんは名伯楽と読んでも構わないでしょう。

井上さんは、ご自身は、16歳で奨励会に入会しました、正直コレは遅いです。
が、おそらく本人がそのことを理解しており、
奨励会入会するならアマ5段レベルの実力で、小学生でないと遅い、
という見解を持っているようです。

まとめ

井上慶太さんは、すでに54歳。かつてはA級で活躍し、米長邦雄さんをA級から追い出したこともあるほどの実力者です。棋士としてのピークはすでにすぎているのかもしれません。しかし、藤井聡太さんに黒星をつけた棋士として、まだまだいけそうな予感を感じさせる棋士です。

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