将棋を指す時に、将棋の駒を盤面に並べますよね。
歩を横一列にならべて、飛車角をおいて、とか。
じつはあれ、並べ方があるんです。
知っていました?
並べ方には、大橋流と伊藤流の2つがあります。
この大橋とか伊藤ってなんでしょうか?
将棋家元、大橋家、伊藤家
実は家元の名前から来ています。
家元というのは、将棋の家元です。
江戸時代の頃、将棋には家元制度、というものがありました。
大橋宗桂の子孫である家元を将棋御三家とよび、彼らは幕府に保護され、禄(ろく)をもらっていました。
御三家とは、大橋家、大橋分家、伊藤家の3つです。江戸時代は、歴代名人はすべてこの家元から出ていました。
名人はこのころ世襲制だったのです。
将棋の駒の並べ方の大橋流と伊藤流は、この将棋家元から、きています。
ちなみに、大橋家は、初代大橋宗桂、伊藤家は三世名人の伊藤宗看が、それぞれ祖とされています。
大橋流、わかりやすい並べ方、プロ棋士の8割が採用
では、実際の並べ方というのはどういうものでしょうか?
大橋流の方はわりと、直感的にわかりやすい並べ方です。玉を中心に下から左右対称にならべていきます。というか、
王様を最初に置きます。次に左の金、右の金。次に左の銀、右の銀といった感じで、玉の左右という順番に小駒を並べます。
そして、角、飛車と並べます。
そして、真ん中の5筋の歩を置きます。
そのあとは歩を並べていきます。、同じように、左の6筋の歩、右の4筋の歩、というふうに、左右とならべていきます。
整理しますと、
1)下の段を並べる、真ん中の玉を最初、以下は左右の順に
2)角、飛車を並べる
3)歩を並べる、真ん中から並べ、以下は左右の順
プロ棋士でもこちらの並べ方をする人が多く、8割位は大橋流で並べるそうです。
伊藤流、相手を気遣った並べ方
では、伊藤流というのは、どういうものでしょうか?
これは、直感的にわかりにくい並べ方です。
まず、玉を並べます。これは、同じ、で、左右の金、も同じ。
で、桂馬まで、この並べ方でここまでは、大橋流と同じです。
香車は、まだならべません。
次に、歩を並べます。これは、左から一つずつ並べます。
これで、なんというか自陣の壁みたいなものができたと思います。
そして、左の香車、右の香車。
最後に、角、飛車という順で並べます。
整理しますと、
1)下の段を香車以外並べる、真ん中の玉を最初、以下は左右の順
2)歩を並べる、左から順に
3)香車を並べる、左、右の順
4)角、飛車を並べる
なれないとわかりにくい並べ方です。
この並べ方には、コンセプトがあります。
将棋の駒の効きが敵陣におよばないように並べている、というものです。
つまり、上の手順で2)までの手順で歩で自陣に壁を作っています。
そのあと、香車とか飛車角などの飛び道具をならべるので、自分の駒の効きが相手までとどいていなくて、
失礼に当たらないということのようです。
最初に香車や角をならべてしまうと、駒の利きがたしかに敵陣まで直通してします。
こう考えると並べ方に意味があるということが理解できるでしょう。
プロ棋士では、鈴木大介さん、窪田義行さんがこちらの並べ方をしてます。
まとめ
駒にも並べ方があるということを説明しました。
並べ方には、大橋流と伊藤流とがあり、プロ棋士はほとんどこの並べ方をしています。
が、自分流といいますか、オリジナルの並べ方をしている棋士もいます。
引退した森けい二9段は、王様をならべたあと、まず、歩を全部並べてしまうそうです。
駒の並べ方ひとつにもそれぞれ個性がでます。
適当に並べてしまうのではなく、一度、伝統的な並べ方で、順番に丁寧においてみるだけでも、
対局前に、心が引き締まり、いい将棋がさせるのではないでしょうか?
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