将棋にはプロ棋士とよばれる職業が存在します。
プロ棋士になるためにはいくつかの方法がありますが、その一つとして奨励会があります。
本記事では、将棋プロ棋士の養成機関である奨励会に関して説明します。
入会について
入会するには、プロ棋士の推薦が必要となります。
これは、自分の師匠をプロ棋士の中から見つけて入門する、という意味です。
受験生は、この段階で推薦で棋力はもちろんのこと、ある程度人間性も判断されふるいにかけられます。
無事推薦を受けたとしても、次は試験が待っています。
試験もどのレベルを受験するかによって試験内容が異なります。
どのレベルでも将棋の対局をしますが、級位を受験する場合、
1次試験で受験生同士で3局、2次試験で奨励会員と3局、
合計6局指し、総合評価されます。
何勝すれば合格という基準は明記されていませんが、4勝が必要とされています。
年に一回しか試験は実施されないので、失敗すれば一年待つしかありません。
受験者の2割位が合格するそうです。
激烈な競争
めでたく合格しても、奨励会内で苛烈な競争が待っています。
入会後は所定の級や段から開始し、規定の成績(6連勝、14勝5敗など)
を上げると上のグレードに進むことができます。
たとえば6級で入会したら、規定の成績を上げれば
6級→5級→…1級→初段→2段→3段
とすすんでいきます。
しかし一方で成績が悪いと、逆に段位や級位が落ちていきます。
元の地位に戻るには規定の好成績が必要となります。
そして3段になると3段の人間だけでリーグ戦を戦うことになります。
半年間リーグ戦を戦って上位2名になると4段となり、プロ棋士となります。
プロになれるのは年間4名です。
最終的に、プロ棋士になれるのは奨励会員の2割位とされています。
年齢制限
各段階で年齢制限が設けられています。
まず受験の段階で年齢が高いほど、高い級位でないと受験できません。
次に初段です。20歳の間に初段にならないと退会させられます。
最終試験とも言うべき3段リーグには基本26歳、延長でも29歳までしか在籍できません。
30歳前にプロにならないと退会させられる制度です。
奨励会員はプロの卵ではありますが、基本無給です。
プロの対局の記録をつける記録係の仕事は義務となっていてこれはお金をもらえますが、
これだけでは生計をたてることはできません。またアルバイトも禁止されています。
年齢制限は厳しい制度のような気もしますが、
今後の人生を考えれば、ある意味必要な制度といえるでしょう。
まとめ
将棋のプロになるための奨励会という組織について説明しました。
奨励会の厳しさ、プロの世界の厳しさが、ご理解いただけましたでしょうか?
もちろんプロ棋士になってからも競争は続きます。
そしてプロ棋士の競争のほうが、何倍もレベルが高く、厳しさを増していく世界です。
将棋の世界はほぼ純粋な競争社会ですが、それに耐えうるための人材を選別する機関と言えます。
以上
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