TV番組として行われている棋戦でNHKが主催するNHK杯。
ラジオの時代から実施されていて、すでに67回の歴史を持つ
伝統がありながら、初心者でもとっつきやすく、
上級者にもためになる良い棋戦です。
今回はNHK杯の記録について解説します。
優勝回数
NHK杯はラジオ放送の第1回が1951年に始まってから、
2017年度までに計67回実施されました。
2018年度は第68回が実施されています。
いままでこの間、数々の棋士が優勝されていますが、
一番多い回数を優勝したのは、羽生善治さんで、
過去10回優勝しています。
10回以上優勝すると、「名誉NHK杯」の称号が与えられます。
これはタイトル戦の永世称号に相当するもので、取得すると、
引退するまで、NHK杯の予選が免除されます。
しかし、これは羽生さん以外だれも取得していません。
2位は大山康晴さん8回 3位は加藤一二三さん7回
という記録になっています。
最年少記録
では優勝した年齢はどうでしょうか?
最年少優勝者は羽生さんの18歳という記録があります。
羽生さんが5段の時代です。
1988年のことですが、このとき、4人の名人経験者を破り優勝しました。
また、このときの準々決勝の対加藤一二三 九段戦で
歴史に残る名手5二銀を決めてました。
結果は、羽生さんの快勝になっています。
羽生さんが5二銀を決めたとき、解説の米長邦雄さんは、大きな声を出され、
対局しているスタジオまで声が聞こえたというエピソードがあります。
また羽生さんはNHK杯4連覇という記録もあり、
連勝記録24と言う記録も持っています。
最年長記録
最年長優勝は、61歳で大山康晴15世永世名人です。
61歳というと普通の人間の定年後の年齢です。
それに加えて、NHK杯は超早指し棋戦です。
早く指すということは反射神経が要求されます。
これは基本若い人のほうが圧倒的に有利、
ということを意味します。
そのなかで、60を過ぎてからの優勝というのは、
68歳で亡くなるまでA級に居たという記録を持つ
大山名人ならではのことで、
これもなかなか破られない記録だと思います。
まとめ
NHK杯での主だった記録を述べてきました。
歴史あるNHK杯では、巨人超人と呼ばれた
大山名人の話はでてきます。
がここでも羽生さんの圧倒的に実績が目に付きます。
ひときわハードルの高い10回優勝というのを
クリアしたのは羽生さんだけです。
これから競争がより激しいものとなり、記録が作りにくくなるかもしれませんが、
新世代の方々が活躍していくのは間違いないでしょう。
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