コンピュータ将棋選手権というものがあります。
正確には、世界コンピュータ将棋選手権、という名称です。
WCSC(World Computer Shogi Championship)と呼ばれることもあります。
将棋ソフトが一堂に介して最強ソフトを決定する大会です。
CSAコンピュータ将棋協会が主催しており、
年1回GWに開かれる催しになります。
今回はこのコンピュータ将棋選手権について説明します。
コンピュータ将棋選手権
毎年開催されているコンピュータ将棋選手権ですが、
2018年に行われた28回大会では49チームが参加し、
3日間にわたって予選本戦が行われました。
コンピュータのスペックには制限はなく、
ノートパソコンから、大規模分散環境をネットワーク上に
用意しているチームまで、種々多様です。
ルールとしては、千日手は引き分け扱い、
256手以上も引き分け、など、
通常の将棋とやや異なるもので運用されます。
以前は切れ負けだったのですが、持ち時間10分に、
1手指す毎に10秒が加算されるフィッシャーモードという
ルールが採用されています。
歴史
1990年の第1回から2018年の28回まで実施されています。
第1回では、森田和郎さんの森田将棋が優勝されています。
参加者は4チームに加えて招待された2チームの計6チーム。
このときはファミコンソフトが加わっています。
初期の頃は、実際に販売されているソフトが中心に活躍されていました。
金沢将棋などもそれにあたります。
その後、2006年にBonanzaが初登場で優勝しました。
このBonanzaの登場によって、様相が一変します。
Bonanzaはソースを公開しました。
他のソフト開発者はこれを利用します。そしてさらに独自の改良を加えます。
今までの強さのベースに改良点が加わり、更に強くなることで、
ますます強いプログラムが期待できます。
このBonanzaのおかげでPonanzaも生まれたと思います。
その後競争も激化し、ここ2,3年は連続優勝はおろか
複数回優勝も難しい状況です。
毎年激しい戦いが行われています。
ニコニコ生放送
ニコニコ生放送が将棋というコンテンツに興味を持ち出し、
将棋の放送が増えてきました。
生放送という形態と将棋というコンテンツの相性がいいということに
彼らは気が付き、積極的に将棋コンテンツの放送が増えていきました。
またニコニコ生放送を運営するドワンゴという会社は、
電王戦という棋戦のスポンサーとなり、
コンピュータ将棋とプロ棋士が対戦する棋戦を企画し、
ネット中継をしています。
おなじように、コンピュータ将棋選手権もネット中継し、
会場に行かなくても逐一模様がわかり大変便利になっています。
このネット中継のおかげで、コンピュータ将棋の知名度が
あがり、一般の方にも知られる分野となりました。
まとめ
コンピュータ将棋選手権について説明しました。
コンピュータ将棋同士が戦い、雌雄を決する大会です。
最強の将棋ソフトが決定されます。
現在コンピュータ将棋は、プロ棋士よりはるかに強くなってしまいました。
そのコンピュータ将棋同士が対決するということで、
現在世界最高レベルの将棋がそこでは展開されています。
文字通り人間離れした手も出現し、観戦して大変興味深いものとなっています。
また、年々そのレベルは上がってきており、昨年の優勝者がそのまま優勝できる
ケースは稀で、競争が極めて激しいものとなっています。
以上
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